• 「鎌倉学び舎」ができるまで⑩〜文化人と子どもをつなぐ〜

  • 2018 / 02 / 18

  • 今回は
    鎌倉学び舎が
    どうやって文化人と子どもを
    つなごうと考えているのか
    について綴ります。

    鎌倉学び舎の柱の1つに
    「文化人・職業人からの学び」
    というものがあります。

    鎌倉にゆかりのある
    文化人や職業人と
    子どもたちが出会える場をつくること。
    それにより、子どもたちが
    さまざまな世界や仕事の面白さに触れること。
    それらに共通する情熱を感じ取ること。
    そしてその結果
    将来の選択肢が増えること。

    そんな風になったらいいなと
    思っています。

    「好きを仕事に」
    できたら幸せだろうな、
    という声をよく耳にします。
    そこには
    「でも、それは簡単なことではない」
    という少しの諦めが
    含まれていることもあるでしょう。

    確かに
    簡単なことではないかもしれません。
    でも
    実現できたなら
    それはきっと素晴らしい人生になるに違いない。

    シンプルに
    そう思っています。

    幸い
    鎌倉とその周辺には
    「好きを仕事に」
    している大人がたくさんいます。

    ある意味
    そんな素敵な風土が
    ここにはあります。

    子どもたちには
    そういう方に
    たくさん出会わせてあげたい。
    そう
    思っています。

    それは
    フリーで活躍する方でも
    会社に務めている方でも
    構いません。

    どちらにしても
    「好きを仕事に」
    している方はいて、
    そういう方にたくさんお会いすると
    職種は違えど
    目の輝きや
    仕事に対する真剣さ
    情熱
    などは共通していると
    感じます。

    子どもたちにも
    それを感じ取ってもらえたら
    と思っています。

    今ある仕事の中で
    将来無くなってしまう仕事は
    たくさんある
    と言われています。

    逆に
    今は無いけれど
    将来新しくできる仕事も
    あるかもしれません。

    今の子どもたちが
    それを
    つくるかもしれません。

    そんな流動的で、
    予測できない将来。

    けれど、
    どんな仕事に就いたとしても
    根底に流れる
    情熱は
    同じ。
    仕事に対する
    真剣な姿勢は
    同じ。

    そのことを
    子どもの頃から
    理解していれば
    将来を
    恐れること無く
    進むことができる。
    そう
    思うのです。

    子どもたちに
    そんな風に
    思ってもらうために
    鎌倉学び舎が
    していること。

    1つ目は、
    伝統文化のお稽古を通した
    文化人との関わりの場の提供。
    2つ目は、
    さまざまな文化人、職業人による
    ワークショップなどの開催による
    関わりの場の提供。
    3つ目は、
    それぞれの子どもの
    興味に即した
    文化人・職業人との
    オーダーメイドの交流の場の提供。

    この3つの場を提供しています。

    この3つ目ですが、
    例えば
    「将来獣医さんになりたい」という
    強い気持ちを持っている子のために
    ネットワークを駆使して
    個別に
    近所の獣医さんで
    お仕事体験を
    させていただことがあります。
    自分の身近なロールモデルとの
    出会い。
    人としての
    繋がり。
    どこか遠くの世界の話ではなく、
    すぐ近くの人。
    そのリアリティは
    夢へ向かう強い原動力と
    なったようです。
    受け入れて下さった
    獣医さんも
    喜んで下さり、
    交流の芽ができました。

    他にも
    学校で使い始めた彫刻刀に
    強い関心を持ち、
    鎌倉彫を深く学びたいと
    思っている子がいました。
    そのタイミングを大切に、
    やはりネットワークを駆使して
    本物の鎌倉彫の彫り師さんの
    工房にお邪魔して、
    直接ご指導いただく機会を
    設けました。
    カルチャーセンターなどでの
    鎌倉彫教室ではなく
    実際に彫り師さんが
    お仕事をしている本物の「場」
    に足を踏み入れ
    息づかいが聞こえてきそうな
    「場」の雰囲気から
    いろいろなことを感じたようでした。
    とても真剣に
    取り組んだ彼女は
    素晴らしい彫りを
    していました。
    そして
    漆塗りを経て
    クリスマスに届いた
    世界に1つの姫鏡は
    彼女の宝物となり
    物作りへの情熱が
    さらに高まったようです。

    従来の
    「学童保育施設」
    という
    「枠組み」
    の中には
    このようなことは
    入ってこないかもしれません。

    ですから
    私たちのやりたいこと
    やろうとしていること
    やっていることは
    「学童保育施設」という言葉では
    全てを表現
    しきれません。

    そこにあるのは
    鎌倉で育つ子どもたちの
    豊かな今と将来のために
    私たちにできることは
    何でもしたい、
    という
    「想い」です。

    鎌倉学び舎は
    ここに通う子どもたちの
    応援団でありたいと
    思っています。

    親以外にも
    自分のことのように
    親身になってくれる
    大人がいる。

    そのことが
    少しでも
    心の支えの1つになれば
    と願って。

    こんな想いをこめて
    「鎌倉学び舎」は
    できました。

    10回にわたって
    綴って参りました
    「鎌倉学び舎」ができるまで
    は、ひとまずこれで
    おしまいです。

    これからは
    また違うタイトルで
    鎌倉学び舎のことや
    教育・保育のことなどを
    綴っていこうと
    思っています。

    長い間
    読んで下さって
    誠にありがとうございました。
    今後とも
    どうぞ宜しくお願いいたします。

    (完)

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで⑨〜問題解決能力について〜

  • 2018 / 02 / 18

  • 今回は
    鎌倉学び舎における
    「問題解決能力の育成」
    について綴りたいと思います。

    「学童保育施設」として
    子どもたちが放課後を豊かに過ごす
    お手伝いをしようと考えたとき
    その可能性の大きさに
    わくわくしました。

    全国学童保育連絡協議会(2007)によれば
    低学年が小学校で過ごす時間は
    年間約1100時間
    であるのに対して
    学童保育で過ごす時間は
    年間1600時間
    にもなるそうです。

    学童保育で過ごす時間は
    実は小学校よりも
    長いのです。

    その時間を
    子どもたちの
    今と未来を
    より豊かにするための
    時間にできたら。

    これからの
    グローバル化、流動化していく時代を
    生きる子どもたちにとって
    どんな力が武器になるだろうか。

    精査していく中で
    将来どんな職業に就くとしても
    「問題解決能力」
    はとても重要であると
    考えました。

    そこで
    鎌倉学び舎では
    「問題解決能力」を育成することを
    1つの柱にしようと
    考えました。

    そのために
    当初は「講座」として
    プログラムを組んで
    「問題解決能力」育成のための
    時間をつくろうと
    考えていました。

    しかし、
    子どもたちと一緒に
    生活する中で
    その毎日の
    生活の場こそ
    「問題解決能力」育成のための
    題材の宝庫だと
    思うようになりました。

    そして、
    時間を限定して
    「問題解決能力」を育成するよりも
    むしろ
    日々の生活の中で育成した方が
    子どもたちにとって
    本当に必要な
    生きた「問題解決能力」を
    育成できるのではないかと
    考えるようになりました。

    生活の中で
    「問題解決能力」を育成するのは
    とても大変なことです。

    どの瞬間も
    気を抜けません。

    なぜなら、
    ちょっとした子どもの
    つぶやきの中に
    「問題解決能力」育成の種が
    潜んでいたりするからです。

    とても小さな問題から
    とても大きな問題まで。
    生活の中では
    さまざまなレベルの問題が
    起こります。

    それをどうやって
    解決し
    乗り越えていったら良いのか。
    見逃さずに
    考えるきっかけとなるような声かけをしたり、
    一緒に考えたり。
    時には、問題解決のための
    専門的な方法を
    小学生にわかる形で
    説明したり。

    そういう毎日の小さな積み重ねが
    子どもたちの思考回路をつくり
    自然な形で
    「問題解決能力」が育っていっています。

    その力が
    鎌倉学び舎での生活場面で
    発揮されることもあれば、
    小学校や家庭で発揮されることも
    あるようです。

    鎌倉学び舎は
    少人数制ということもあり
    一人ひとりを
    本当に丁寧に見ています。

    一人ひとりの
    発達段階や
    考え方
    感性
    背景
    その時の状態
    学校など学び舎以外のところでの
    できごとの影響
    など
    さまざまなことを
    考慮に入れながら
    その瞬間に
    その子にとって
    一番良いと考える
    接し方や
    声かけを
    心がけています。

    ですから
    どの瞬間も
    頭の中は、
    フル回転。
    心の中は、
    真剣です。

    鎌倉学び舎で過ごす
    全ての子どもたちが
    しなやかに
    問題解決能力を
    獲得してくれたら…。

    そして自分の人生を切り拓くための
    武器になれば…。

    それが私たちの願いです。

    (つづく)

    【参考文献】
    全国学童保育連絡協議会編,2007,『よくわかる放課後子どもプラン』,ぎょうせい

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで⑧〜ロゴ〜

  • 2018 / 02 / 18

  • 今回は
    「鎌倉学び舎」のロゴ
    について綴りたいと思います。

    これまでロゴについては
    どこでも語ってきませんでしたが
    実は意味が込められています。

    このロゴは
    クリエイターの方々に
    ご提案いただいた中から
    選んだものです。

    いろいろなご提案がありましたが
    その中で一番気に入ったのが
    このロゴでした。

    真ん中には
    ササリンドウ。
    源頼朝の家紋であると言われ、
    鎌倉市の市章にもなっている花です。

    鎌倉の学び舎ということで
    ササリンドウを
    入れて下さいました。

    そして、
    その上にかかっているのは
    大人(先生)
    を意味しています。

    さらに、
    ササリンドウの下にある
    4つのものは
    子どもたち
    を意味しています。

    そして、
    それぞれが
    茶道、華道、書道、三味線、日本舞踊などの
    伝統文化のお稽古をも
    意味しています。

    ササリンドウを
    取り囲んでいるのは
    全て
    「人」
    なのです。

    そのように捉えると
    丸い部分は
    人の頭、
    その下の部分は
    人の肩から手にかけて
    に見えてきます。

    そして、
    みんなが
    手を繋いでいる
    のです。

    先生も
    子どもたちも
    家族のように
    みんなで仲良く
    あたたかい。

    今の鎌倉学び舎の姿に
    ぴったりのロゴだなぁと
    しみじみ思っています。

    (つづく)

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで⑦〜名称〜

  • 2018 / 02 / 18

  • 今回は
    「鎌倉学び舎」という名称
    について綴りたいと思います。

    前回まで綴ってきたように、
    物件も見つかり
    先生方も賛同して下さり
    ようやく構想が形になってきました。

    さて、
    じゃあ学童の名前はどうしようか。
    そう思ったとき、
    自然に浮かんで来たのが
    「かまくらまなびや」
    という名前でした。

    「鎌倉」で
    さまざまなことを
    「学ぶ」ところ。

    また、
    「学び舎」
    という言葉は
    「学校」
    という意味で
    使われることもあります。

    「学校」
    と言い切ってしまうほど
    大きなものでは
    ないけれど
    私たちの想いのこもった
    小さな学校の
    ようなもの。

    そして
    それぞれの子が
    自分のやりたいことに
    自分のペースで
    没頭できる場所。

    そのイメージに
    「学び舎」
    という言葉がしっくりくる。
    そんな気がしました。

    私は短歌をやっているのですが
    その師の1人が
    短歌ができるまでの道のりを
    「深い海の底に真珠があって
    自分はそれを拾ってくるだけ」
    「自分は受信機のようなもの」
    とおっしゃっていました。

    その感覚に近い感じで
    「かまくらまなびや」
    という響きが
    浮かんで来たのでした。

    でも
    表記はどうしようかしら。
    「かまくらまなびや」
    「かまくら学び舎」
    「鎌倉まなびや」
    「鎌倉まなび舎」
    「KAMAKURA学び舎」
    ……!?
    など、いろいろ考えましたが
    やっぱり
    「鎌倉学び舎」
    だな、と思い
    念のため
    画数も調べましたが
    うん、
    バッチリ。

    ということで
    「鎌倉学び舎」
    になりました。

    ちなみに
    先日
    小中学校の後輩にあたる
    子どもたちから
    「ねぇ、校歌に
    『学び舎』
    って言葉が入ってるから
    『鎌倉学び舎』
    にしたんでしょ?」
    と言われました。

    …!?
    そうなのかな。
    そうなのかもしれませんね。
    9年間歌い続けた校歌には
    確かに
    「学び舎」
    というフレーズが入っていました。

    自分でも意識していなかったけれど
    潜在意識の中に
    「学び舎」という響きが
    横たわっていたのかもしれません。

    そんな風に
    なんだかとても自然に
    「鎌倉学び舎」
    という名称が決まりました。
    (つづく)

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで⑥〜先生方との出会い〜

  • 2018 / 02 / 13

  • 今回は
    鎌倉学び舎の伝統文化を担当して下さっている
    先生方との出会い
    について綴りたいと思います。

    前回書いたように
    想いを持って
    伝統文化のお稽古を
    取り入れようと考えた訳ですが
    その時点で
    伝統文化の先生で
    知っているのは三味線奏者の
    友人のみ。
    他には知りませんでした。

    でも

    日本舞踊の先生
    書道の先生
    華道の先生

    いずれも、三味線奏者の友人とご両親が
    ご紹介下さいました。

    茶道の先生は
    鎌倉で活躍する
    小学校時代の同級生が
    ご紹介下さいました。

    私と夫は
    ドキドキしながら
    先生一人ひとりに
    ご挨拶に伺い、
    これまでの記事で綴ってきたような
    志をお話ししました。

    すると
    全ての先生が
    賛同して下さり
    大変快く
    お受け下さいました。

    お受け下さるたびに
    涙が出そうになるほど
    嬉しかったのを
    覚えています。

    こうして集まった先生方は
    本当に素敵な方ばかり。

    茶道の先生は
    裏千家の名誉師範で
    何十年も前から
    鎌倉の保育園でも
    子どもたちに茶道を
    教え続けていらっしゃる先生。
    そのため
    子どもたちへの教え方が
    とてもわかりやすく
    子どもたちは
    大切な和の心や
    茶道の技術を
    すーっと
    吸収していっています。
    先生のお稽古を
    受けている子どもたちは
    みんな茶道が大好きになり
    次のお稽古を心待ちにしています。

    華道の家元の先生は
    千利休の
    「花は野にあるように」
    を忠実に守って
    お花を活けていらっしゃる先生。
    「お花の声をよく聞いて」
    「お花で絵を描くように」
    「そのお花が一番きれいに見えるように」
    「光がどこから当たっていたかをよく見て」
    など、心構えの部分から
    活け方の技術的なところまで
    とても丁寧にご指導下さっています。
    私はこの志や教え方が
    とても好きです。
    子どもたちは
    毎回
    目を輝かせて
    お花に
    向き合っています。
    そして
    情緒に加え
    空間構成力や決断力も
    育ってきているように感じます。

    日本舞踊の先生は
    吾妻流の師範で
    日本舞踊をやっている人なら
    憧れの演目であり
    鶴岡八幡宮の舞殿で披露される
    「静の舞」
    を務めた先生。
    子どもも大人も
    先生の舞を一目見ると
    たちまち魅了されてしまう
    みんなの憧れの先生です。
    お着物を着たときの
    佇まいと所作の
    美しさは素晴らしく、
    こんな風になれるなら
    子どもに
    日本舞踊を習わせたい
    と思う方が続出しています。
    子どもたちは
    日本の踊りも、
    日本の音楽も大好き。
    時々口ずさんでいたりします。

    三味線の先生は
    荻江節の家元の家に生まれ、
    現在は国立劇場や歌舞伎座などで
    演奏をする傍ら、
    鎌倉でも
    三味線ワークショップを
    積極的に開催し、
    伝統文化を
    もっと身近に感じてもらい
    後世に繋いでいこうという
    志を持って
    活動している方です。
    三味線と言うと
    メディアでは津軽三味線などが
    有名で
    「荻江節」
    というのはあまり耳にしたことが
    ないかもしれませんが
    「音色」
    を大切にする
    とても美しいものです。
    このご指導を受けて
    日々練習している子どもたちは
    「音色の美しさ」を
    聴き分ける耳も育ってきています。

    書道の先生は
    あの歌手のユーミンさんが
    ご自分の歌詞を使った
    大人の美文字本をつくろうと
    思った際に
    「この人の字がいい」
    と、ご指名下さった
    というエピソードをお持ちの先生です。
    絵描きさんでもあり、
    美しい字に加え
    美しい絵も
    お描きになります。
    いつでも自然体で
    とてもきれいなオーラのある
    先生の
    書道教室では
    いつも子どもたちが
    のびのび
    キラキラ
    しています。
    先生のお教室は
    「基本の書」の回と
    「遊びの書」の回が
    あります。
    「基本の書」の回には
    オーソドックスな書道教室のように
    お習字の基本を学びます。
    「遊びの書」の回には
    書道に加え、絵の具を使った
    絵の要素を入れたり、
    自由な表現で
    作品作りをしたりします。
    「遊びの書」があることで
    筆遣いが伸びやかになり
    結果的に
    字もうまくなる。
    目を輝かせて
    書に取り組む子どもたちは
    この時間が大好きです。

    どの先生も
    子ども一人ひとりを
    よく見て
    その子に合った
    ご指導をして下さっています。
    そして、
    「人として」
    大切に
    育てて下さっています。

    鎌倉学び舎では
    お稽古は
    その子自身が心から
    「やりたい!」
    と思った時に
    始めることを大切にしています。

    だから
    こちらから無理に
    勧めることや
    強制することは
    ありません。

    そのため、
    お稽古を1つもやっていない子も
    もちろんいます。

    そういう子たちも
    伝統文化の先生が
    学び舎にいらっしゃる時間を
    楽しみにしていたりします。

    お着物や素敵なお洋服で
    いらっしゃる先生方の佇まいから
    いつもと違う
    伝統文化の香りを
    感じ取っていることもあれば、
    先生と仲良くなって
    お話しするのを
    楽しみにしている子もいたりします。
    時には
    先生のためにプレゼントをつくって
    渡している子も
    います。

    先生方は
    お稽古を習っている子
    そうでない子
    で線引きすることなく、
    どの子にもあたたかく接して下さり、
    そこには
    あたたかな
    人と人との
    心の交流があります。

    こんな風に
    鎌倉学び舎に関わる
    全ての大人が
    子どもたちを
    心から慈しんで
    ともに育てている。
    そんな空間が広がっています。

    この素晴らしい先生方と
    出会えたことに
    心から感謝している
    毎日です。

    (つづく)

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで⑤〜なぜ伝統文化のお稽古を取り入れたのか〜

  • 2018 / 02 / 13

  • 今回は、
    なぜ伝統文化のお稽古を取り入れたのか
    について綴りたいと思います。

    近頃
    大人になってから
    日本の伝統文化を学びたいと
    考える方が増えているそうです。

    私もそうでした。

    仕事に追われる日々の中で
    いかに心豊かな生活を送るか
    と考えたときに
    「お花の活け方、学んでおけばよかったな」
    と思ったり。

    鎌倉のお寺で出された
    お抹茶の飲み方が心許なくて
    そわそわしてしまったり。

    着物を着たときの
    所作がわからず
    焦ったり。

    一方で、
    こうしたことを
    とても自然に行っている方の
    美しさに見とれたり。

    ちょっとしたことですが、
    「学んでおけばよかったな」
    と思う日本の文化はたくさんあります。

    学んだら
    日々の生活をさらに心豊かに
    過ごせるだろう。
    そんな風に感じることが
    大人になってから増えました。

    さらに、
    海外に行った多くの方から
    こんな話を
    耳にすることがあります。

    「自分は日本の文化を
    ほとんど知らない。
    海外の人の方が逆に日本に詳しかったりして
    恥ずかしい思いをした。」
    「海外の人は自国の文化に詳しいのに
    日本人はそうではない。」

    そして

    「これからのグローバル化の時代、
    海外で一目置かれるのは
    英語ができることではない。
    むしろ、自国の文化を
    語れることだ。」
    そう熱く語る方もいます。

    でも、
    日本国内で
    「伝統文化」
    というと、
    とても高尚な響きがあります。

    大変敷居が高く、
    そもそもどこに先生がいて
    どこに行けば
    習えるのかもわからない。

    お金がかかるイメージがあり、
    しきたりもわからないので
    なかなか気軽に踏み込むことができない。
    そんな状況があります。

    けれども、
    日本の伝統文化には
    根底に流れる共通の思想があり
    それは現代の私たちにも
    とても役立つものです。

    たとえば、
    今世界でも注目されている
    禅の精神。
    細かく見れば、
    礼に始まり、礼に終わること。
    ものを大切にする心。
    人への気遣い。

    いくら口で説明しても
    なかなか実感として理解できないようなことも
    伝統文化のお稽古を通して
    自然に学ぶことができます。

    そんな素晴らしいものに
    子どもの頃から
    もっと気軽に触れることができたら
    大人になったとき
    人生をより豊かに
    感じることができるようになるのではないか。

    そして

    海外に行ったときに
    仲間から一目置かれる存在に
    なれるのではないか。

    そんな風に考えて、
    伝統文化のお稽古を
    気軽に受けられる仕組みを
    創ることにしました。

    ちなみに
    実際に始めてみると
    大人たちの予想に反して
    子どもたちは
    まっさらな目で
    「新鮮な面白いもの」
    として
    すーっと
    伝統文化に入っていきました。

    そして
    心から魅了され
    楽しんでいます。

    そんな発見があったことが
    とても嬉しく。

    その話題はまた後日
    改めて。

    (つづく)

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで④〜なぜ「学童保育」なのか〜

  • 2018 / 02 / 13

  • 今回は、なぜ「学童保育」なのか
    について綴ります。

    これまでの記事の中で私は
    「鎌倉の文化人と子どもたちが出会える場」
    の構想について書いてきました。

    この構想と「学童保育施設」をかけあわせたのが
    「鎌倉学び舎」
    なわけですが…。

    私は前職の大学講師時代に、
    児童館や学童保育施設に伺い、
    研究を行っていました。

    また、学生の実習巡回や
    部活の顧問としての仕事の中でも
    さまざまな児童館や学童保育施設に
    伺っていました。

    その中で感じたことのひとつが
    「学童保育や児童館には大きな発展可能性がある!」
    ということでした。
    従来の考え方に縛られることなく
    自由に構想できるのであれば
    学童保育施設や児童館は
    子どもの成長や地域にとって
    さまざまな役割を果たすことができるだろう。
    そう思いました。

    その想いが根底にあったので、
    「鎌倉の文化人と子どもが出会える場」を兼ねた
    学童保育施設、というアイディアが浮かびました。

    一方で、時を同じくして、
    自分の子どもも
    もうすぐ小学校に上がる
    というタイミングでした。

    子どもをどこの学童保育に行かせようか
    と考えたときに思ったことは
    「預かってくれればどこでもいい」
    という訳ではない、
    ということです。

    安全・安心はもちろんですが、
    私が一番重視するのは
    「子どもたちを我が子のように愛してくれる」
    大人がいること。
    究極的には
    これが一番大切だと思っています。

    これさえ感じられれば、
    多少のことは我慢できる。
    でもこれが無かったら、
    安心して仕事に打ち込めません。

    これは
    子どもたちに惜しみない愛を注いでくれた
    保育園の先生方と接して
    心から思ったことです。

    保育園までは
    保育の質に心を砕き
    全身全霊で情熱を注いで
    保育をしている園が
    たくさんあります。

    そして、
    それぞれの想いを持って
    保育している園を
    親は選ぶことができます
    (入れるかどうかは別として
    選択肢はあります)。

    でも、
    小学校に入り
    学童保育のことを考えたとき、
    少なくとも鎌倉には
    選択肢がほとんどありませんでした。
    (この構想を進めている最中に
    いくつかの民間学童ができましたが、
    この構想をはじめた当時は
    ほとんどありませんでした)。

    そして、
    「小学校に上がった途端、
    なんだか急に放り出されたような気がする」
    とおっしゃる保護者の方に
    山ほどお会いしてきました。
    「保育園まではあんなにこだわって
    育ててきたのに…」
    というやるせなさが滲んでいました。

    こうしたお声も伺う中で
    保育園までと同じくらい
    丁寧に子どもと接する
    学童保育があってもいいのではないか。
    そんな風に思うようになりました。

    これは決して
    過保護にする
    という意味ではありません。

    「人として」
    尊重され、
    愛されて過ごす
    そんな学童です。

    それがベースとなって
    初めて
    その他のことが意味を持ってきます。

    このベースの上に、
    放課後の時間に
    「共働きの親が普段はさせてあげられないような
    貴重な経験をさせてあげることができる」
    「子どものためになる時間を
    過ごさせてあげることができる」
    ということをプラスすることによって
    「だから積極的に通わせたい」
    と思える学童保育を
    創りたいと思いました。

    学童保育に子どもを預けるとき
    親に
    「後ろめたさ」
    がある
    というのは
    健全な状況ではない
    と思っています。

    「後ろめたさ」や
    「不安」があると
    親は安心して働けません。

    そして
    子どもが
    喜んで行きたがる学童保育
    を創ることが
    子どもにとっても
    親にとっても
    幸せなことだろう
    と思いました。

    せっかくの貴重な放課後の時間。
    豊かに過ごさない手はありません。

    そんな場所を創りたくて
    「学童保育」
    という形をとることにしました。

    (つづく)

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで③〜物件との出会い〜

  • 2018 / 02 / 13

  • 今回は物件との出会いのエピソードを
    綴りたいと思います。

    私はもともと古民家が好きでした。
    自然素材だけでできている
    昔ながらの日本の家。
    そこにいるだけで心が穏やかになるような
    「場」の力に魅了され、
    友だちと古民家めぐりをしたり
    古民家雑誌を読みふけったり
    そんなちょっとした古民家オタクです。

    不動産サイトで近隣の古民家を検索しては
    「いいなぁ〜」と思いながら
    眺めることもしばしば。

    そんな素地もありつつ、
    前回の記事でご紹介した三味線奏者の友人との話から
    伝統文化のお稽古ができる仕組みを
    考えていたこともあり、
    伝統文化のお稽古をするならば
    やはり日本の伝統的な家を
    舞台にしたい…
    と、思っていました。

    その想いを話すと、三味線奏者の友人が
    知り合いの不動産屋さん数件に
    声をかけてくれました。

    すると、すぐに何軒かの古民家の
    情報が集まりました。

    そして、その中の1軒に目がとまりました。
    「あ…前に不動産サイトで見て気になっていた物件…」。

    以前見たときから気になっていたものの、
    借り手がついて何年かが経過していました。
    しかし、これから
    ちょうど次の借り手を探し始める
    というタイミング。
    情報が公になる直前だったそうです。

    実は、「古民家を校舎に…」と考え始めたときから
    ・耐震補強はどうしよう
    ・リフォームにお金がかかるだろうな
    ・津波が来ない場所がいいな
    ・自然が豊かなところがいいな
    ・お庭で畑ができたらいいな
    などと思っていました。

    そして、この物件の情報を見ると
    これらすべての条件をクリアしていました。

    ・耐震補強、リフォーム済み
    ・水回りは全て最新式
    ・和室部分は昔のまま保たれている
    (しかも10畳+8畳と広い!)
    ・鎌倉山の上にあり、津波が来ない
    ・豊かな自然に囲まれている
    ・広い畑を使わせていただける
    ・竹林までついている
    ・近くに公設の広い公園が2つもある
    ・近隣に家が建て込んでいない
    ・近隣に広い月極駐車場がある

    などなど、まさに理想的な物件でした。
    すぐさま内見に行くと、
    写真で見るより何倍も居心地のよい、
    風の通り抜ける
    素敵な空間でした。

    一目で気に入り、
    夫とも意見が合い、
    即決しました。

    さらにありがたいことには
    大家さんが文化的なことに
    とても理解の深い方でした。
    近隣の方々も良い方ばかり。

    こうして
    何かに導かれるように
    トントン拍子で
    物件が決まったのでした。

    (つづく)

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで②〜再会〜

  • 2018 / 02 / 13

  • 前回は学童保育施設「鎌倉学び舎」の
    アイディアが生まれるまでを
    綴りました。

    今回は、そのアイディアが
    どうやって実現に向けて動き出したのか
    について綴りたいと思います。

    2015年。ひょんなことから
    それまでやっていなかった
    facebookを始めました。

    そして
    それをきっかけに、久しぶりに
    小中学校の同級生たちと
    繋がりました。

    その中に、鎌倉で三味線奏者をしている
    友人がいました。
    話をする中で、彼は
    「三味線と教育」
    について何かできないか
    と考えていることがわかりました。

    それを聞いて、ずっと私の頭の中にあった
    「鎌倉の文化人と子どもが出会える場」
    の構想が再び息づき始めました。

    彼と話すうちに、互いの力を合わせれば
    実現出来るのではないか
    と感じるようになったのです。

    しかし、私は教育の専門家、
    彼は伝統文化の専門家。
    「事業を興す」ということには決定的に
    知識と経験がありませんでした。

    そこで私は中小企業診断士の資格を持ち、
    経営コンサルタントとして働いていた夫に
    相談しました。

    夫はその頃、
    日々中小企業様を支援する中で
    自分も事業をやってみたい
    と考えるようになっていました。

    そんなタイミングだったこともあり、
    相談に乗ってくれた夫は
    この構想に社会的意義を感じ
    実現することに賛成してくれました。

    そして
    一緒に動いてくれることになりました。

    このような流れの中で
    ・教育の専門家
    ・伝統文化の専門家
    ・経営の専門家
    が力を合わせ、「鎌倉学び舎」実現に向けた
    プロジェクトが動き出したのです。

    (つづく

  • 「鎌倉学び舎」ができるまで①〜自己紹介に代えて〜

  • 2018 / 02 / 13

  • note」にて「鎌倉学び舎マガジン」の連載を始めました。

    同じ記事をこちらのブログにも掲載していきます。

    どうぞご覧下さい。(副代表 大滝世津子)

    ————————————————————————-

    はじめまして。今日からnoteを始めることにしました。
    私は現在学童保育施設「鎌倉学び舎」を経営していますが、
    昨年の3月までは大学で専任講師をしていました。

    そんな私が「鎌倉学び舎」を構想し、実現し、
    現在に至るまでの道のりを何回かに分けて
    綴っていきたいと思います。

    私は鎌倉生まれ、鎌倉育ち。
    生まれてから今日まで1度も一人暮らしをしたことがありません。
    つまり、大学へも鎌倉から通っていました。
    当時の大学は片道2時間半。
    「毎日遠足だね♡」と友人たちに半ば同情されながらも
    4年間通い続けたのでした。
    その理由はとってもシンプル。
    「鎌倉が好きだったから」
    以上。

    根っからの鎌倉好きで、大学の友人と遊ぶ時も
    理由をつけては鎌倉に呼び寄せ、
    鎌倉案内をしながら、
    共に過ごす時間を楽しんでいたのでした。

    そんな私なので「鎌倉で働きたい」という気持ちを持ったのは
    自然な流れでした。
    鎌倉の大学で働くことを目標に
    大学院では黙々と研究し、
    大学院生の時から鎌倉の大学にお手伝いに通い、
    念願叶って、就職することができたのでした。

    ちなみに私の専門は教育社会学。
    一昨年出版した
    『幼児の性自認ー幼稚園児はどうやって性別に出会うのか―』
    は博士論文を元にしたものです。
    社会学的に幼児を分析したもの。

    そこで、大学では幼児に関するいろいろな科目を担当しました。
    児童文化、子どもと教育環境、社会学、子ども社会学、ジェンダー論、
    教育社会学、保育内容演習人間関係、保育実践指導、児童学、幼児指導
    …などなど。

    他にもいろいろありましたし、
    これに加えて実習巡回でたくさんの施設、学校、園に伺いました。
    そんな日々の中で、「子どもを育てる」ということについての
    考えが深まっていきました。

    そうして、ひたすら幸せな数年が流れ、第一子を出産。
    自分の子どもが生まれると、ますます真剣に
    子育てや、子育て環境について考えるようになりました。

    そんな中で自分の育ってきた道のりを振り返ることが
    多くなりました。

    私は鎌倉で育つ中で、
    「鎌倉にはたくさんの文化人、一流の大人、面白い職業の人がいるらしい」
    ということは、肌で感じてきました。

    でも、大人になるまで直接出会うことはありませんでした。

    もしかしたら、隣にいるかもしれないのに。
    すれ違っているかもしれないのに。

    ただそれだけでは出会えないのだということを
    強く実感しました。

    そして同時に
    「もったいなかったな」
    と思いました。

    大人になってから
    私は鎌倉の文化人から
    短歌と墨彩画を
    習うようになりました。

    そして、その先生方と繋がったことで
    人生がより豊かに、深く感じられるようになりました。

    同じ鎌倉が全然違って見え、
    今まで自分が見ていた鎌倉がいかに表面的な物だったのかを
    実感するようになりました。

    同じ道を通っていても、行く場所や、見る物や、繋がる人が
    全然違うのです。

    そんな体験をしてみて、
    「子どもの頃からこういう魅力的な大人と出会えていたら
    もっと人生が豊かになるのではないか、
    選択肢が広がるのではないか」
    と、思うようになりました。

    そこで、こうした
    「鎌倉の文化人と子どもが出会える場」
    を創りたい
    と、考えるようになったのです。

    せっかく鎌倉という土地で育つのだから
    一流の人々と人間的な深い関わりを
    持ってもらいたい。

    講演会のような1対大勢というような出会い方ではなく、
    少人数で、
    文化人も子どもも
    互いに良い影響を受け合うような
    人間らしい出会いの場を創りたい。
    そう思うようになりました。

    そして、その舞台は「古民家」がいい。

    そこまで考えて、
    ノートにアイディアを書き込み…。
    「でも、どうやったら創れるんだろう?」
    と思っていたのが6年ほど前。

    その時のアイディアが「鎌倉学び舎」の元になったのでした。

    (つづく)

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